プロジェクト管理のアプローチとは何でしょうか?
プロジェクト管理のアプローチとは何でしょうか?
組織が実行するプロジェクトの数やその複雑さは、世界的に増大し続けています。プロジェクトマネジメント協会 (PMI) は2017年版「職務の拡大と能力のギャップ」報告書にて、雇用者は2027年までに新たなプロジェクト関連の役職に220万人近い人材を必要とすると予想しています。PMIは、「医療、出版、および専門サービスといった、従来プロジェクトに関連しなかった業界においてもプロジェクト管理の慣例が広がりつつあり、グローバル経済はますますプロジェクト指向になってきている」としています。プロジェクトマネージャーは、管理するプロジェクトが増加し、プロジェクトの複雑性が高まるにつれ、プロジェクトを整合された状態に保ってワークフローの効率性を最大化するために、実証済みの手法に頼るようになってきました。それぞれのプロジェクト管理手法は、特定のプロジェクトにおいてすぐれた機能を発揮します。最も人気のある手法をいくつか見てみましょう。
従来のプロジェクト管理手法
最も広く知られたプロジェクト管理手法の中には、建物や自動車、コンピュータなどの物理的な製品を生産する製造業やエンジニアリング業界で開発されたものがあります。以下がその例です。
- ウォーターフォール手法: プロジェクトの計画立案に最も一般的な手法と思われるウォーターフォール手法は、単純な逐次的手法です。最終的な成果物まで、タスクを一つずつ完了させてから次のタスクを開始します。これらのプロジェクト計画は、将来再利用する際に容易に再現できます。
- クリティカルパス手法: ウォーターフォール手法と同様に、クリティカルパス手法も逐次的な方法ですが、プロジェクトマネージャーがリソースの優先順位をつけ、最も重要な作業に焦点を当ててリソースを投入し、チームの進捗速度を弱める可能性を持つ優先順位の低いタスクに関しては、スケジュールを立て直すことができます。
- クリティカルチェーンプロジェクト管理 (CCPM): この手法ではプロジェクト内の各タスクに必要なリソースに目を向けます。プロジェクトマネージャーはこの手法を利用して、タスク周辺に時間的バッファを構築しプロジェクトの主な期限が達成できるようにするとともに、最も重要で優先順位の高いタスク (「クリティカルチェーン」) を特定してリソースを割り当てます。
アジャイルプロジェクト管理方法
アジャイルプロジェクト管理とは、簡単に言うと「スプリント」と呼ばれる短い開発サイクルで構成された共同作業の手法です。スプリントには柔軟性と継続的改善を包括するために、プロジェクトの進捗に応じたフィードバックが統合されています。この手法はソフトウェア開発に最適な手法として、2001年に17人のグループによって開発されました(公式のアジャイルソフトウェア開発宣言を参照)。 アジャイルプロジェクト管理では、階層的なリーダーシップストラクチャよりも、チームの共同作業に重点が置かれています。最も人気のあるアジャイル手法としては以下が挙げられます。
- スクラム: 伝統的なプロジェクトマネージャの責任分野をチームメンバーに分散し、スクラムマスターがリーダーおよびファシリテーターの役割を果たします。
- カンバン: 優先順位が頻繁に変更するプロジェクトに適しています。スクラムと似ていますが、あらかじめ定められたスプリントの期間ごとではなく連続的に前進します。作業は必要に応じて、要員に余裕がある際に実行します。
- エクストリームプログラミング (XP): エクストリームプログラミング手法は、ソフトウェアエンジニアリング向けに開発されました。クライアントが製品に対して何が必要かを100%把握していない場合には理想的な手法であり、多数の試験やフィードバックが必要となります。
- アダプティブプロジェクトフレームワーク (APF): この手法は、高レベルの柔軟性と適応性を必要とするITプロジェクトにも適しています。業界のエキスパートであるRobert K. Wysockiにより開発され、同氏の著書「Adaptive Project Framework: Managing Complexity in the Face of Uncertainty」で段階的に説明されています。