プロジェクト可視化
プロフェッショナルサービスのプロジェクトの可視性の改善
プロジェクトとプロフェッショナルサービスの管理に失敗はつきものです。しかしその失敗には大きなコストがかかります。あるスタディによると、2004年度に発生した情報システムプロジェクトの失敗にはEU全体でなんと1,420億円のコストがかかり、「不十分なコミュニケーション」と要件の不明確さが障害であったと識別されました。これはプロジェクト可視化と情報の流れが極めて重要であることを意味しています。
プロジェクトの可視性を高めることは、企業のプロジェクトのワークフローに透明性と説明責任、および情報共有を達成する効果的な方法です。
プロジェクトマネージメントにおける可視化とは何でしょうか?
「プロジェクト可視化」という言葉は意味があいまいでテクニカルでないように思えますが、重要な情報を組織内で共有すると言うことに尽きます。プロジェクトライフサイクルの早期において、プロジェクトチャーターなどのドキュメントを作成する目的は、スコープやステークホルダー、および役割を明確に定義することです。このように早い時期に可視性を確立することで、関係者は自身の作業がプロジェクトやポートフォリオの目標にどのように影響するかを認識できます。
プロジェクトの進行に従って、通常のステータスレポートや共有ダッシュボードなどでイニシアチブの健全性に透明性をもたらします。
例えば、Wrikeのダッシュボードでは、タスクのステータスやリクエストの受け入れ、チームメンバーの可用性などのアップデートが一目でわかるように構成できます。
プロジェクト可視化はなぜ重要なのでしょうか?
プロジェクトの可視性はチームのコミュニケーションやプロセスの最適化、リソースの管理方法を改善します。キャパシティプラニングや顧客関係管理などの重要なアクティビティをサポートする可視性はプロフェッショナルサービスチームにとって極めて重要なのです。
リソースマネージャーがチームメンバーの可用性を判断できない場合、クライアントの多大なニーズを満たせるリソースがあるかどうかを判断できません。需要管理は特に、過去の事業活動の分析が関わるため、予測および実績データへのアクセスに依存します。このようなデータへの可視性が不足していると、リソースマネージャーやプロジェクトマネージャーは古くて不正確であり不完全な情報をもとに意志決定を行ってしまいます。
可視性はPMだけでなくチームにとっても有益であり、プロジェクト管理における可視性は顧客関係や顧客満足度にとっても重要です。クライアントはプロジェクトの成熟度をトラッキングし、コミュニケーションを維持し、必要な場合はフィードバックを提供できます。
プロジェクトの可視性を改善する方法
- チーム固有のニーズに従ってプロジェクトのダッシュボードをカスタマイズする
- 詳細なプロジェクトチャーターとスコープ記述書を作成する
- プロジェクトステータスレポートを定期的に公表する
- 校正と承認作業にコラボレーティブなソフトウェアを使用する
- クライアントにプロジェクトマネージメントツールへのアクセスを許可する
可視性の高いプロジェクトとは何でしょうか?
セーラ・コールマンとダニー・マックニコルによる「プロジェクトリーダーシップ」(2016年)では、可視性の高いプロジェクトは「市場ポジションにとって極めて重要である」としながら、失敗した場合のリスクが高い、または「風評被害」を引き起こす可能性があると定義しています。これらのプロジェクトはそれを指揮するプロジェクトマネージャーに大きな注目が集まります。
Harvard Business Reviewでは、可視性の高いプロジェクトに参加することは、組織内の上級管理職に昇進するために「極めて重要な要因」の1つであると記しています。
例えば、小規模な広告代理店がスーパーボールの放送中に全国的なコマーシャルを流す企業のプロジェクトを獲得したと仮定してみましょう。会社にとっては初めてのSBのコマーシャルです。広告代理店がクリエイティブコンセプトを構築し、プロダクションのすべての部分を調整するということで同意しました。危険度も高く、広告には多額の費用がかかります。ここでは戦略が鍵となります。
これはスーパーボールの放送中に宣伝が流れるだけではなく、そのイニシアチブを担当するメンバーに社内で大きな注目が集まることを考えれば、これは可視性の高いプロジェクトと考えられます。このようなプロジェクトの場合、Wrikeのようなツールが提供する週ごとのステータスレポートやカスタマイズ可能なダッシュボードで、その透明性を高めることができます。
プロジェクトステータスレポートとは何ですか?
プロジェクトステータスレポートは、チームメンバーやステークホルダーに プロジェクトの重要なKPIを説明するドキュメントです。プロジェクトマネージメントのステータスレポートは、プロジェクトのライフサイクルを通して効果的なコミュニケーションを確立する1つの方法です。プロジェクトをロードトリップとすれば、ステータスレポートはGPSシステムの役割を果たし、交通情報、残りの時間、利用する出口などのアップデートを定期的に提供します。
プロジェクトステータスレポートは、報告する相手によってある程度定期的に発行します(頻度はケースバイケースで決定)。チームメンバー、クライアント、ステークホルダーには、プロジェクトのライフサイクルを通してこれらのステータスレポートを提出します。
プロジェクトマネージャーが、クライアントやチームメンバーに提供するプロジェクトステータスレポートの頻度を決定する場合、ある程度の不確定要素を考慮しなければなりません。例えば、クライアントによっては月1回のレポートで満足するかもしれませんが、プロジェクトへの関与が深い顧客は週1回のレポートを求める場合もあります。
社内用のプロジェクトステータスレポートの場合、プロジェクトマネージャーは、大企業のCEOには、小規模なプロジェクトに関する週1回の社内プロジェクトステータスレポートは必要ないと思います。
プロジェクトステータスレポートには何を含めるべきでしょうか?
プロジェクトステータスレポートには、プロジェクトの現状についての明確な情報が含まれます。 有益で効果的なプロジェクトステータスレポートには以下の情報を含めます。
- プロジェクトの識別子 プロジェクト名やプロジェクトマネージャー名、またプロジェクトに関連する主な日程
- プロジェクトとステータスのまとめこれは、プロジェクトの目標および最終レポートからのアップデートを確認するリマインダーとしての役割を果たすプロジェクトの簡単な要約です。
- マイルストーン 達成したマイルストーンについての情報。プロジェクトのマイルストーンについてアップデートすることは、重要な転換地点について可視性を提供し、イニシアチブの進捗状況を測る目安としての役割を果たします。ブランドをリフレッシュするプロジェクトの場合、新しいロゴの承認などが マイルストーンの1つになります。
- 注文変更 プロジェクトのスコープが変更したり拡大したりすることはめずらしいことではありません。クライアントからサービス変更が出た場合はプロジェクトステータスレポートに入力します。
- リスク 起こり得るリスクを識別しステークホルダーに通知することは、効果的なプロジェクトステータスレポートを作成する上で重要です。 ある建設チームが重要なマテリアルの調達において問題を抱えているとします。プロジェクトマネージャーはサプライチェーンでの遅れを予測しており、プロジェクトが期限内に完了しないリスクがあります。ステークホルダーがそれに備えて準備し軌道修正ができるよう、プロジェクトステータスレポートで報告します。
- 次のステップ プロジェクトの次のステップ、次のタスクやマイルストーンは何でしょうか?プロジェクトを前進させるためのアクティビティを要約します。
このレベルの可視性を持ったプロジェクトステータスレポートであれば、ライフサイクルを通してチームやクライアントに明確で正確な最新情報を提供できます。
プロジェクトダッシュボードの使用
プロジェクトマネージメントダッシュボードを利用すれば、リアルタイムのデータを使用してタスクやマイルストーン、リソースなどのアップデートが一目でわかります。PMやチームメートがワークフローに透明性や効率性を確立できるプロジェクトダッシュボードは、プロジェクトマネージメントプロセスにとって極めて重要です。
情報の紛失や誤解を防ぐプロジェクトダッシュボードは、チームやクライアント、ステークホルダーにとってのリソースです。プロジェクト可視化の向上のためにダッシュボードを使用するメリットの1つは、次のタスク、期限切れのタスク、各タスクの担当者をチームメンバーが把握できることです。
Wrikeのプロジェクトダッシュボードは高度なカスタマイズが可能で、トラッキングが必要な情報やワークフローに従って設定できます。例えば、Wrikeでは各個人が自身のアクティビティ、チームのタスク、期限切れのタスク、自身に指名されたタスクなどをトラッキングするダッシュボードを構築できます。適切に使用すれば、特定のチームやプロジェクトの監視をする際に高度の可視性を提供し、大きな価値をもたらします。
その明確な価値にも関わらず、プロジェクトダッシュボードはプロジェクトステータスレポートではありません。アップデートは一目でわかりますが、ステータスレポートに含まれるべき前後関係や詳細は含まれていないのです。クライアントがプロジェクトダッシュボードにアクセスできる場合でも、定期的な説明が必要です。
Wrikeのようなダッシュボードなしでは、重要な情報やアップデートを提供するツールを見逃すことになります。
顧客管理と維持
Bain & Companyが実施したリサーチによると、顧客維持率が5%向上するだけで収益が最大25%アップします。これは顧客管理と維持を優先することがビジネスおよび純利益にとって有益であることを意味しています。
プロフェッショナルサービス企業は、合意したプロジェクトやイニシアチブの作業にリソースを配置することで顧客の要件を満たします。これらの企業はクライアントの管理や維持にも積極的に取り組む必要があります。企業の82%が 顧客維持は新規顧客獲得より低コストであると答えており、ビジネスにとっては不可欠な戦略です。
顧客管理と維持の改善方法
PSチームはプロジェクトへのすぐれた可視性によって顧客管理と維持を最適化できます。これは早期に詳細なプロジェクト定義を構築し、 プロジェクトスコープに透明性をもたらし、週1回のステータスレポートを提供し、クライアントにプロジェクトマネージメントダッシュボードやタスクへのアクセスを許可して、必要な場合はフィードバックを提供できるようにすることで達成できます。
顧客のニーズに積極的に取り組むこともまた、顧客管理と維持にとって優れた戦略です。例えば、SaaS業の企業が、主要クライアントが従業員間のユーザー獲得率の低さが問題になっているのに気付いたとします。 クライアントは製品が自社の従業員のニーズに有益ではない、または関係しないと考える可能性もあり、将来の顧客維持に影響を及ぼします。
このSaaS企業はこの問題を予測し、製品の価値を説明しその機能の使い方を説明し、従業員の日々のワークフローに製品を統合できるデプロイメントスペシャリストを任命するかもしれません。
このような顧客管理では、顧客のニーズを考慮し、ニーズが満たされない場合の影響を予測し、この課題に取り組むためのリソースを配置します。
リスクやリーダーシップの変更などについて明確にコミュニケーションを取ることにより、クライアントは遅延を予測し、プロジェクトの健全性を常に把握できるのです。
顧客管理は透明性、コミュニケーション、強力な成果が必要な継続的なプロセスです。これらの要素は連携して機能し、クライアントとサービスを提供する企業の双方に利益をもたらす関係を育てていきます。C