Wrike導入以前にあったような非効率なリソースの遊びが確実に減少しました。 それによりチーム稼働率も大きく改善し、いい意味で忙しくなってしまったかもしれませんね。
「戦国炎舞 -KIZNA-」や「この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ」といった人気スマートフォンゲームを開発・運営するサイバーエージェントグループの株式会社サムザップは複数のプロジェクト管理ツールをWrikeに一本化することで業務管理を大幅に改善することに成功しました。同社でエンジニアマネージャーを務める若田部 誠氏にすでに社内で導入されていた他社ツールを置き換える形でWrikeを全社的に導入するに至った経緯や社内普及の取り組みについてお伺いしました。
課題
「誰に仕事振ろうか・・・」所属部署と担当プロジェクトの 合間で見えなくなるアサイン状況
サムザップ社は複数の人気スマートフォンゲームタイトルを抱え、新規開発に加え既存タイトルの運用も重要な収益の柱となっています。2013年にリリースされた「戦国炎舞 -KIZNA-」は現在でもさまざまなイベントやキャンペーンが企画され、ユーザーのゲーム体験を盛り上げるための施策が打たれています。
同タイトルのプロジェクトチームは常に複数の機能改修やキャンペーン施策が進行するような複雑度の高い組織となっています。各施策はプランナーによって仕様や全体スケジュールが設定され、仕様書に基づきデザイナー、エンジニア、QA、カスタマーサポートなどの各セクションにアサイン依頼がされる仕組みです。各セクションのリーダーは部下のアサインメントを決定し、アサインされたメンバーはプランナーの指示に基づいて具体的な作業を進めるため、プランナーのプロジェクト管理能力や進捗管理が非常に重要となります。
そこでよく課題となったのが、各セクションごとに異なるタスク管理ツールを導入していたため、プランナーがエクセルで組んだスケジュールと、セクション内で利用していたツールのスケジュールとの間にいつしかズレが発生し、そもそもどちらが正しい情報なのか、という混乱・負担や納期遅延などが発生していました。多忙なプランナーによるスケジュール更新が遅れることもあり、施策の進捗状況が非常に見えづらい中で、各セクションリーダーは部下の稼働状況を1on1などを通して把握することに労を割く必要がありました。「聞いてみると、スケジュールに余裕があったため改善タスクを自分の判断でしていたケースも見られ、メンバーの稼働率を適正に管理することが課題となっていました。」(若田部氏)
使いづらいプロジェクト管理ツールで、管理が追いつかな い状態に
同社ではアジャイル開発ツールとして知られるソフトウェアをはじめとする豊富な機能をもつプロジェクト管理ツールを導入していましたが、簡単なタスクを切るにも手間が掛かるため、大規模のチーム内で相当数のタスクを管理するとなるとプランナーによるタスク登録が間に合わず、その部分の管理ができなくなるといった弊害が発生していました。また、スクラムやスプリントの運用の仕方を理解していないと使いづらい面もあったようです。操作が複雑なツールでは細やかで迅速な管理が難しく、スケジュール更新やタスクの割当が遅れがちになってしまいタスク管理ツールの本来の目的が果たせない状況にありました。「プロジェクトの移行時に使用ツールが異なると受入側は学習コストを払ってツールの使い方を学ぶ必要があり、本質的でない部分で大きな負担となってしまう事もありました。」(若田部氏)
導入効果
ツール乱立の弊害とWrike一本化への道筋
上記に挙げた課題を解決するために若田部氏はさまざまなツールを実際に試してみたものの、操作、機能、運用面でさまざまな壁にぶつかります。そのような折にグループ会社の知人からの「便利だよ」という勧めでWrikeを試したところ非常に良い感触を得たため、本格的な導入に着手することになりました。
「カンバン形式を主とするツールを使っていた時期もあり便利なツールではありますが、それだけだと厳しい部分があります。全体スケジュールを把握するにはガントチャートが見やすく、またリスト形式やカンバン形式にクリック一つで切り替え可能なWrikeは非常に便利です。Wrikeではタスクを起票すれば自動的にガントチャートとして表現することができ、それだけでもかなりの手間の削減に貢献しています。ツール乱立の弊害を解消し、会社にとってプラスになると考え一本化を目指して導入を進めることにしました。」(若田部氏)
Wrikeではタスクを起票すれば自動的にガントチャートとして表現することができ、それだけでもかなりの手間の削減に貢献しています。ツール乱立の弊害を解消し、会社にとってプラスになると考え一本化を目指して導入を進めることにしました。
担当者任せの運用の失敗を教訓に部署横断で運用ルー ルの統一を徹底
Wrike導入当初は各担当者の裁量に任せてツールの普及活動をしていたものの、統一ルール不在の中でさまざまな問題が表れました。例えば、プロジェクトやタスクの階層構造のロジックが部署ごとに異なるために他部署のタスクの居場所が分かりにくくなったり、別部署に対する作業依頼で作業が完了したにも関わらずタスクステータスが更新されていないがために放置され、催促してはじめて実際の状況を知るといったケースが発生していました。何を基準に誰がステータスを更新すべきか、といった基本的な部分が曖昧になっていたためです。そこで「戦国炎舞 -KIZNA-」のプロジェクトチームでは各セクションのリーダーによって構成される導入チームを発足させ、Wrike利用のさまざまな課題を共有し、運用ルールの策定、見直し、社内啓蒙・教育、運用改善のための技術サポートを行う取り組みを本格化させました。「現在でも隔週でミーティングを持ち、導入だけで終わらせない継続的なPDCAを回しています。運用ルールの定着だけに留まらず、業務改善に役立つWrikeの使い方をWrike Japanのカスタマーサクセスチームに相談することもあります。」(若田部氏)
サムザップ社でのWrike移行の取り組みをまとめたブログ記事では運用ルールの詳細も紹介されています。
現在でも隔週でミーティングを持ち、導入だけで終わらせない継続的なPDCAを回しています。運用ルールの定着だけに留まらず、業務改善に役立つWrikeの使い方をWrike Japanのカスタマーサクセスチームに相談することもあります。」
ツールの一本化で管理コストを低減
社内でのタスク管理ツールの一本化にあたり、若田部氏は既存ツールの運用コストとWrikeの導入コストを比較・説明し、各部署の同意を取り付けていきました。「複数のツールを利用するとなるとサービス使用料はもとよりサーバー費用、サーバー管理コストも発生していましたが、Wrikeに集約することでそれらが不要(もしくは削減)となり、間接的な管理コスト削減を含めるとツールライセンス費用を大きく上回るコストメリットを得られていると感じています。」(若田部氏)
結論
情報がWrikeに集約され、業務の可視化が大きく改善
「ツールをWrikeに一本化したことで、常に正しい情報に容易にアクセスできる環境が構築され各メンバーのアサイン状況が細かに把握できるようになり、Wrike導入以前にあったような非効率なリソースの遊びが確実に減少したかと思います。それによりチーム稼働率も大きく改善し、いい意味で忙しくなってしまったかもしれませんね。また、ブループリント機能を用いてプロジェクトタスクをワンクリックで一斉起票できるので、プランナーのタスク登録作業も大幅に省力化され、施策のキックオフがよりスムーズになりました。タスク起票の部分だけを見ても、他社ツールで行っていた時と比べてあるセクションでは月に10時間前後は削減できていると思います。」(若田部氏)
同社ではツールの一本化によって、情シス側でのライセンス管理工数も大幅に減少しています。「頻繁にリリースを行うプロジェクトチームとして、現在バグを減少させるためWrikeに集約された改修依頼内容を分析・分類してゲーム体験の向上を目指しています。Wrikeで業務情報が見える化されたことで改善のための声が上がりやすくなったように思います。」(若田部氏)
Wrikeで業務情報が見える化されたことで改善のための声が上がりやすくなったように思います。
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